高級茶はなぜ旨いのか~渋み、苦みの正体「カテキン」~
日本茶を口に含んだとき、ぐっとくる苦みや渋み。この苦み、渋みこそお茶の奥深いところであり、旨いと唸らせる要素はここにあります。
この旨みを決めるのは、お茶に含まれるアミノ酸(テアニン)、カテキン、カフェインの3つ。そのうちの「カテキン」は大きく分けて、遊離型カテキン、エステル型カテキン(ガレート型カテキンとも言われる)があります。遊離型カテキンがほっこりと優しい苦みを呈しているのに対し、エステル型はかなり強烈な苦みです。
一般的に、高級なお茶には遊離型カテキンが多く含まれ、まろやかな旨みがあるとされています。早摘みのお茶(一番茶)ほど品質が高く、カテキンが少なくアミノ酸が多いため、まろやかなものが好みなら一番茶を選ぶと良いでしょう。
一方、苦みが強めのお茶が好みであれば、エステル型カテキンを多く含むものを選べば良いということになります。リーズナブルな価格のものの方が渋み強めなものが多いです。二番茶、三番茶を選び、さらに、80℃ぐらいのお湯で淹れると渋みを出せます。
日本の高級茶「玉露」や「かぶせ茶」などは、収穫前にお茶の木に覆いをかけます。茶葉が日光に当たると甘み成分のテアニンがカテキンに変わるのですが、日光が遮られることで、テアニンを茶葉にしっかりと溜め込めるようになります。そのひと手間で、旨みや甘みが増すんですね。
旨みが健康効果にも。お茶はまさに一石二鳥
旨みの元となる、アミノ酸(テアニン)、カテキン、カフェインの3つは、旨みを出すだけでなく、健康にも効果的。特に、年配者にはありがたい飲み物だと言えます。
まず、アミノ酸(テアニン)はお茶の甘みの成分。これは脳をリラックスさせる効果があるとされています。さらに、血圧上昇の抑制やドーパミンの放出を促進します。
カテキンのうち、エステル型カテキンの方には、コレステロールを抑制する効果があります。緑茶に特に多く含まれていて、抗酸化作用、殺菌作用、抗ガン作用、高血圧低下作用、血糖値上昇抑制作用などがあり、近年ではこれらの効果をうたう特定保健用食品のお茶も増えてきましたね。
それから、カフェインについてはよく知られているでしょう。リラックス効果や集中力アップなどの効果がある反面、摂りすぎると不眠や不安、動悸などにもつながってしまいます。
毎日に上手にお茶を取り入れる
体に良いから毎日飲みたいけれど、カフェインの摂りすぎは気になります。お茶は時間帯に分けて上手に取り入れると良いでしょう。
まず、朝にオススメなのは、緑茶、その中でも煎茶、深蒸し茶です。旨みやカテキン、カフェインを含みスッキリと心身を目覚めさせられます。朝食後であればカフェインも胃に刺激を与えすぎないでしょう。
昼は、ランチと共にウーロン茶がオススメ。脂肪燃焼促進やむくみなどに効果的です。ランチ後のひとときには、不発酵の緑茶類が良いでしょう。煎茶、ほうじ茶などカテキン多めのお茶で虫歯予防、カフェイン多めの玉露や抹茶入り緑茶などで午後の仕事の集中力アップなど、うまく取り入れてください。
1日の終わりには、カフェイン少なめのものに。番茶、玄米茶、紅茶などを、低温でじっくりまろやかに淹れて召し上がってください。
自分好みの1杯、自分らしいお茶習慣で、ホッと癒やされつつカラダを労ってあげましょう。
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