木彫りの熊のはじまりから100年
木彫りの熊といえば、昭和の古き良き時代のお土産というイメージがありますね。木彫りの熊は、1924年に北海道八雲町で誕生したと言われています。そこから2024年でちょうど100年ということで注目されています。
八雲町は尾張徳川家の旧家臣団が移住した土地。第19代の徳川義親が戦後の不況対策として、スイスで見た木彫り品の土産を参考にして、農家に推奨しました。冬場を凌ぐための収入源としたのです。また、観光土産の民芸品として、八雲町には「熊」の木彫りが最も合っていると考えました。
北海道の観光ブームの到来により、土産品として北海道全域でも作られるようになり、「北海道土産」として定着していきました。
定番「鮭をくわえた熊」の意味
木彫りの熊といえば、鮭をくわえたポーズが有名です。しかし、発祥である八雲町では鮭をくわえた熊のポーズは作られていません。それは、木彫り熊の制作のモデルとして徳川農場で飼われていたのが2匹の子熊だったため、愛らしく親しみのある熊が作られてきたからだそうです。
鮭をくわえるようになったルーツはわかっていませんが、アイヌ文化や自然信仰が背景にあると考えられています。先住民族アイヌはヒグマをキムンカムイ(山の神)として崇めていました。また、鮭が遡上する年は豊作になるとされ、鮭は豊かさの象徴です。自然の恵みをありがたくいただくという意味で、鮭をくわえた熊が作られたのではないでしょうか。
なぜ再ブーム? 現代に受け入れられる理由
昭和の北海道土産だった木彫りの熊、なぜ今改めてブームになっているのでしょうか。平成初期頃には一度ブームが去り人気は衰えていたものの、平成末期頃から再び人気が出てきました。定番品から小ぶりなもの、インテリアに適したものなど多種多様なものも現れ、昭和レトロを愛する人たちのみならず、Z世代や海外などにも広まっています。
手作業で作られる木彫りの熊は、温かみがあり、木の質感がインテリアにも馴染み、デジタル時代の私たちの目を和ませます。1点モノという特別感も、現代人の志向に合っています。ダサかわいいイメージだった木彫りの熊は、今では“エモい”と認識が変わり、再ブームとなったようですね。
あなたの家にもひとつ、熊を〜オシャレでバラエティ豊かな木彫りの熊〜
定番の黒くてどっしりとした木彫りの熊もレトロで魅力的ですが、現代はオシャレだったりカラーバリエーション豊富だったり柄が入っていたりなど、インテリア向きの熊も増えています。人気の現代作家とコラボした作品があったり、木彫りの熊のイラストを取り入れたブランドショップもあったりなど、飾ったり身に着けたり、木彫りの熊が身近なものになりつつあります。昔から家にある木彫りの熊をリメイクして今風にするサービスもあるようです。
そんな人気再燃中の木彫りの熊。リビングを飾るアイテムとして、仕事部屋に疲れたときの目の保養として、玄関のインテリアに……あなたの好きな色や表情、材質、形など、好みに合わせて選べば、まさに“唯一無二”の木彫りの熊をおうちに迎えることができます。
とはいえ、いきなり本格的な木彫りを取り入れるのはちょっとハードルが高い…という方には、熊の木彫りのようなイラストが入ったパッケージアイテムがおすすめです。飾っておくだけでもとても可愛く、インテリアのアクセントになりますよ。まずは、そんな気軽なアイテムから木彫りの熊のある暮らしを始めてみてはいかがでしょうか?
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