燻製の魅力〜燻製の⾹りと味はどこから?〜
燻製には独特の香りと味があります。それは、スモークすることで食材に燻煙の香りがつき、さらには、食材の水分が飛んで旨みがぐっと増すからです。肉類も魚介類も、野菜や加工食品、お菓子、さらには調味料やお酒まで、スモークすると風味が大きく変わります。チップやスパイスにこだわって、自分好みにアレンジする人も多いでしょう。
こうして食材やアレンジによって、さまざまに楽しめるのが燻製の魅力です。そのまま食べても美味しい食材が、燻煙の独特の香りをつけることによって一味違う美味しさを与えてくれます。
もともとは長期保存するための調理法でしたが、その奥深い味わいや独特の風味が人気となり、今ではアウトドアやお手軽に自宅でも取り入れられています。美味しさはもちろんながら、その工程にこだわるのが楽しく、趣味のように燻製に夢中になる人も多いでしょう。
燻製にすると何がいい?〜燻煙の成分と効果〜
燻製は、美味しく香りが良いだけではありません。
スモークするときに出る燻煙には、殺菌と防腐効果があります。燻煙に含まれるフェノール系化合物やアルデヒドは食材を樹皮膜でコーティングする役割があり、これにより細菌から守り防腐効果を発揮します。カルボニル化合物は、殺菌と防腐効果の両方を持ちます。有機酸は、塩漬けや乾燥させた食材の水分活性を下げ、長期保存を可能にします。
燻煙には、このような殺菌、防腐、保存の効果を与えつつ、独特の燻煙の香りをつけて美味しさを増してくれる役割があるのです。また、独特の燻煙の香りには、心を落ち着かせるリラックス効果もあるようですよ。
燻製の起源は石器時代
燻製の起源は、約1万3000年も前の⽯器時代にさかのぼるとされています。
燻製は、偶然の産物だったようです。⽯器時代の人たちが、焚き火の上に吊るしていた肉や魚が長時間経っても傷んでいない、食べられると気づいたことで、燻製の調理法が生み出されたようです。
さらに、魚や肉を塩漬けにして保存する方法が生まれました。この塩漬け(塩蔵法)と燻製が今ある燻製方法に繋がっているのです。
もともとは食糧難を凌いだり、虫除けや殺菌をしたりするためのものだった燻製が、今では美味しさが追求される嗜好品となっています。
大昔の偶然の産物ではありますが、長い歴史を経て、ごく身近に楽しめるものとなりました。ご自宅で自分の手で燻製を楽しんでみると、ひときわ美味しく感じられるのではないでしょうか。
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